大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和54(オ)698 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

被上告人の民訴法一九八条二項の裁判を求める申立を却下する。

理 由

上告代理人前田嘉道の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし

て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審

の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原審において主張

しない事実に基づき原判決の不当をいうものにすぎず、いずれも採用することがで

きない。

被上告人の民訴法一九八条二項の裁判を求める申立について

民訴法一九八条二項の裁判を求める申立は、訴訟中の訴提起の性質を有するから、

事実審係属中にその最終口頭弁論期日までにされることを本則とし、上告審におい

て上告人からの右申立が許されるのは、上告審において仮執行宣言付判決が取り消

された場合に簡易迅速に救済を受ける機会を上告人に与えるための例外であること、

並びに上告審が法律審であることに鑑みれば、第一審において仮執行宣言付給付判

決の言渡を受けた者が、控訴審において民訴法一九八条二項の裁判を求める申立を

することなく、第一審の本案判決変更の判決の言渡を受け、これに対して相手方が

上告した場合には、被上告人から上告裁判所に対して右申立をすることは許されな

いと解するのが相当である。したがつて、被上告人の民訴法一九八条二項の裁判を

求める当裁判所に対する本件申立は、不適法として却下すべきものである。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 中 村 治 朗

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 本 山 亨

裁判官 戸 田 弘

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